今日は何も始まらなかった日の話

今日は、何かを始めるつもりで一日を迎えたはずでした。

新しいことかもしれないし、前から考えていたことかもしれない。
とにかく、
「今日はここから動き出す日になるかもしれない」
そんな気配だけは、朝の時点で確かにありました。

でも、一日が終わってみると、結局、何も始まっていませんでした。

準備不足だったわけでもありません。
時間が足りなかったわけでもない。
体調が極端に悪かったわけでもない。
ただ、始まらなかった。

こういう日は、自分でも理由が分からないまま、少しだけ落ち着かない気持ちになります。

「やる気がなかったのだろうか」
「怠けていただけなのだろうか」
「このまま何も変わらないのではないか」

そんな考えが、はっきりしないまま浮かんできます。

でも、始まらなかった一日をすぐに失敗として扱う必要はないのかもしれません。

何かを始める前には、自分でも意識していない確認作業があります。
今なのか、まだなのか。
本当にこれでいいのか、もう少し整えてからにするのか。

それらは言葉にならないまま、静かに行われます。
今日は、その確認が「まだ」という結論を出しただけだった、とも考えられます。

始まらなかったということは、何も考えていなかったということではありません。
むしろ、簡単に始めてしまわなかった、という見方もできます。

勢いで動くことが正しい日もあります。
一方で、勢いに乗らない方がいい日もあります。

今日は、何かを始めるには、少しだけ間が必要な日だった。
それだけだったのかもしれません。

何も始まらなかった日は、空白のように感じられます。
でもその空白は、無意味な穴ではなく、余地として残っています。

このあと何が始まるのか。
あるいは、まだ始まらないままなのか。
それは、今日の時点では決めなくてもいいことです。

今日は、何も始まらなかった一日だった。
それだけの話です。

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