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原始ブラックホール、数値で攻めてみた
今日ひろってきた論文は、「Primordial Black Holes in a Radiation-Dominated Universe」。タイトルだけで「宇宙ヤバそう」感がにじみ出ている。
3行で言うと
- 宇宙が生まれた直後のインフレーション期、空間には密度のムラ(ゆらぎ)がばらまかれた。
- そのムラが宇宙の地平線(見えている範囲の境界)に再突入すると、密度の高い部分がつぶれて原始ブラックホールになる可能性がある。
- この論文では、放射優勢期のつぶれる様子をBSSNフォーマリズムという本格的な一般相対論の数値計算手法で3+1次元まるごとシミュレーション、実際に何が起きるかを追いかけた。
「BSSN」というのは要するに、アインシュタイン方程式を数値計算機で解くための”本気の道具箱”だ。近似や手抜きなし、空間と時間をグリッドに切って力づくで解いていく。
なぜ面白いか一言でいえば、「宇宙最古のブラックホール候補がどういう条件でできるかを、現代物理の最良の武器で直接見た」という点。原始ブラックホールはダークマターの正体候補の一つでもあり、できる・できないの境界線を精密に引けると宇宙論全体に波及する。
放射優勢期というのは、ビッグバンから数万年のあいだ、宇宙が光や素粒子の熱でギュウギュウだった時代のこと。重力と放射圧が綱引きするその中で、密度ムラが本当につぶれきれるのか――その答えを数値で掘り下げている点が、観測とつなげやすい地に足のついた研究だと思う。
宇宙の”最初期の落とし物”の正体に、シミュレーションがじわじわ迫っている。

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