何も問題は起きていない。
予定が崩れたわけでもなく、誰かと揉めたわけでもない。
一日を振り返っても、大きな失敗や心配事は見当たらない。
それでも、夜になってから、あるいは一息ついた瞬間に、
理由のはっきりしない不安だけが残る時があります。
何が不安なのかと聞かれても、うまく答えられない。
具体的な出来事が思い当たらないからこそ、この感覚は扱いづらく、自分でも少し戸惑ってしまいます。
「何も起きていないのに不安になるのはおかしいのではないか」
そう考えて、気にしないようにしようとしたり、別のことに意識を向けようとしたりすることもあるかもしれません。
けれど、出来事がないことと、心が静かであることは、必ずしも同じではありません。
日中に受け取った情報や、何気なく流した会話、意識の端に残った予定や考え事。
一つひとつは小さくても、完全に終わらないまま積み重なっていくことがあります。
そうしたものは、はっきりとした形を持たないまま、不安という感覚だけを残します。
理由を言葉にできないのは、不安が漠然としているからではなく、まだ整理されていないだけかもしれません。
この不安は、何かを怠っているから生まれたものでも、弱さの証明でもありません。
ただ、心が処理の途中にある状態、そう言えることもあります。
すぐに原因を突き止めなくても、前向きな意味を見つけなくても、問題はありません。
「今日は、理由の分からない不安が残る日だった」
と気づけたなら、それ以上、何かを片づけなくても大丈夫です。
不安があるからといって、今日一日が失敗だったわけではありません。
何も起きていないのに不安が残る日も、確かに存在していて、それ自体は特別なことではありません。
今日は、そういう一日だった。
それだけの話です。
